ウィザード×ウィッチ  五話

 

リックと名乗った 妙な飛んでいるぬいぐるみは、笑顔でサクを見ていた。

「・・・・なぁ・・・  つ・・使い魔って・・?」

サクは見つめられているのが少し嫌でリックに問いただした。

するとリックは目をそらし、川の方へ体を向けた。

「お前、ウィザードだろう 使い魔って言うのはウィザードをサポートする獣だ。」

「ぇ・・・・・つまりさ・・その・・り・・っくは・・オレの使い魔?」

「ぉう!勿論な! ちなみに、サクを目覚めさせたのに協力したのは俺だからな。」

サクは驚いた。それと同時にリックの声が、あのウィザードとして目覚めるときに

聞こえた声とまったく同じだったことに気づいた。

「!! お前!」

「まぁそんな驚くな。けど オレは協力をしただけだぞ。目覚めの力を引き出したのはおまえ自身だけどな。」

「はぁ・・・ あの・・さ 俺って・・本当にウィザードってヤツなのか? 」

サクは少し真剣な面持ちで、リックを見た。リックは川のほうを向いたまま答えた。

「あぁ・・そりゃぁな! お前をここへ来させたのも俺だよ!」

「はっ!?  うっそ!? マジ!?」

コレには一番驚いた。そうだ、自分をここへ連れてきたのが一体なんなのかというのに

一番疑問を抱いていたからだ。驚きを隠しつつ そうしてまたサクはリックに問いただした

「俺はさぁ・・・ ここの国を救うためにここへ来たって・・ 」

「あぁ・・それはそうだ  ラッシュが蘇ってしまったからな。」

「・・そのラッシュって一体なんなんだ?」

サクは緊張したような面持ちだった、ここへ来てからは何か不安や緊張や疑問の連続で

1つでもその疑問を解きたかったのだ、

それを悟ったかのようにリックは、少しだけ暗い表情で話し始めた。

「ラッシュ・グロウ ヤツは 闇と暗黒の塊の闇の魔法使いだ。

          100年前英雄のウィザードによってその身は滅びた。しかし、滅びる間際

                 暗黒の種を植え付け、その種に身を封じ、100年経った今。また蘇ってきたのだ」

「暗黒の種・・・・・」

「身が滅びる前でも悪知恵は働いていたんだな。」

1人と1匹は共に真剣な顔だった、辺りは川の流れる音と小鳥のさえずりしか聞こえない。

「つまり・・俺は、そのラッシュを倒して・・この国を救うって事なのか?」

「そういうことになるんだな。」

サクは下を向いた。

「んな・・・ 俺は帰りたい。 ここへ来てからもう何がなんだかよく分からなくなってるんだ!!」

サクははっきりとリックへ向かって言った。少しの間沈黙が続いた。

するとリックが沈黙を破った。

「サクは自分が何の理由もなしにセイゼントへきたと思ってるのか」

「・・・・・・じゃぁ理由があるのかよ。」

「・・・・ サク・・・ お前の体の中には ・・・・ 英雄のウィザードの魂があるのだ」

再び驚いた。 そして自分の耳を疑った。

(自分の体の中に・・・英雄のウィザードの魂?)

「すまん・・また混乱させてしまったな・・ つまり・・・ お前は英雄のウィザードの生まれ変わりだ。

      だからこの セイゼントへ召喚されたんだ。・・・」

「生まれ変わり・・ お・・おれが!?」

「そう。 だからここへ来た限り、ラッシュを倒さねばならない・・」

「・・・けど・・おれは・・・おれは・・ 帰りたい!!」

混乱の絶頂に達したサクはつい リックに向かって叫んでしまった、

それを少しためらいリックから目をそらした

「・・・帰れないことはないんだ。」

「え・・・」

その言葉にすぐさまサクは反応した、コレが少しの希望だったからだ。

そうしてリックの方をむいた

「あのな・・・」

とその時、急にリックの表情が険しくなった。リックは鋭い表情で川を見ていた。

それに少しサクはつられ 同じように川をみた

「!! 来る!」

リックは叫んだ。と同時に川から水しぶきが勢いよく上がった

川辺に座っていたサクは水しぶきを浴び目を閉じてしまった。

目を開けるとそこには 龍がいた。

巨大な龍だった、目は赤く鋭くサクを睨んでいる。それと同時に奇妙な唸り声を上げていた。

「!! 妖魔だ! サク!気をつけろ!」

「・・ぁ・・ああ」

怯えながらも返事をし、体を起こし 2,3歩後ろへ下がった。

「!なぁ・・ あれはなんなんだよ!」

サクは怯えながら大声でリックに問いただした。

「妖魔だ! ラッシュが創り出した妖魔だ!!」

(妖魔・・・・ じゃぁ・・俺が始めてここへ来たときに襲ってきた怪物は・・・妖魔だったんだ・・)

とサクが考えていると妖魔が 口をあけ勢い良くサクに向かってきた。

それに気づき サクは間一髪のところで襲撃をよけきった。

もの凄い轟音と共に川辺に大きな穴が開いた。

「! び・・・・びびったじゃねぇか!!このデカブツめ!!」

自分を襲ってきた妖魔に怒りを覚え暴言を吐いた。

するとその言葉を理解したかのように 妖魔は体勢をかえまたもやサクの方に向かってきた。

「!! ぉぃ!!サク!杖は!?」

その言葉を聞いたサクは 焦った。そう 杖をロジックの家においてきてしまったのだった

「ぅをぁぁぁ!!! やべー!! 忘れた!!」

などと上靴を忘れたかのように叫んだ。

しかし妖魔は そんなことはお構いなしに

サクの方へ向かってきた。

ソレをなんとか よけきった。しかしまた轟音と共に地面に大きな穴が出来た。

回りに物凄い砂煙が立ち込めた。

「ぉぃ!こら! 杖を何で忘れたんだ!!」

「俺も色々ごちゃごちゃしてて杖に神経いかなかったんだよ!!」

リックとサクは 薄くなりかけた砂煙の中で口げんかをしていたが

穴にはまった妖魔が体勢を立て直そうとしていたのをみて妖魔の方へ目が行った「

「くそ・・・ しょうがねぇ! 杖を呼び出す!!」

そういってリックは地面に下り、 両手を合わし

円を描いた。 その円が金色に光っていた

「杖召喚!」

円の周りに風が噴出し、そのせいでまた砂煙が立ち込めた。

その風が吹き止んだとき、サクの前に杖が現れた。

妖魔が体勢を立て直したのもその時だった。

妖魔はすぐにサクとリックを見つけ また口を大きく開け襲い掛かってきた

「!サク!早く!行くんだ!」

迷ってる暇などなかった。 すぐそこに・・・すぐ後ろに妖魔がいるのだから。

妖魔に背を向けてたサクは振り返り、鋭い目で妖魔を見た。

そして持っていた杖を握り締め、 襲ってくる妖魔に杖を向けた。

「こんの・・ デカブツめ!!! くたばれ!!」

その瞬間に光が噴出した。 その光に包まれるかのように

妖魔は叫び声を上げ だんだん・・だんだんと 消えていった。

辺りにはまた 川の流れる音と小鳥のさえずりが戻った。

サクは大きなため息をつき その場に倒れ込んだ

「あーーーー 疲れた!!」

仰向けになって青空に叫んだ。

「・・・よくやったよサク。 」

リックが覗き込んだ。 1人と1匹は笑った

するとサクがくちを開いた。

「・・・なぁ・・どうやったら俺は帰れるんだ?」

少し間をおき、リックが口を開いた、

「この国を救ったら・・。 つまり、ラッシュを倒したら 元の世界に帰れるんだ。

    サク・・・ お前しか救える者がいないんだ・・・ だから・・」

「分かった。」

その言葉をさえぎるようにサクが口を開いた。そして

「俺・・・ この国を救うよ。 そして元の世界に帰る

   まぁ 何も出来ないけどな〜・・ だから・・・リック・・ヨロシクな!」

サクは笑顔でリックに言った。するとリックは

喜んで 宙に舞い上がった。 リックはどんどん上昇していった。

下から見ても喜んでいるのが目で分かる。

 

一人と一匹の旅が始まる───・・・・

 

 

■■■■■■■■■■■■■■コメント□□□□□□□□□□□□□□□□

 

ハイこんにちは。 そしてごめんなさい(ぇ) なかなか 更新できなくて・・。

本気ですんません。

新登場リックです。 実はこのリック 当HPのギャラリーページにひっそりといる〜・・・かな!?

まぁあんなかんじです まだ見てない人はこんなやつだなぁ=と思ってくれればいいです。

六話は〜 どんな展開になるでしょうかねえ〜。

取り合えず仲間が1匹増えましたんで、 まぁ 楽しく書いていこうと思います!

読んでいただいて本当ありがとうございました!

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