ウィザード×ウィッチ   八話

 

 

ロッジクの家は未だ、緊張した雰囲気に包まれていた。

ノクターンはドアの近くに立ち、腕を組みサクや、リック、ニナを不気味な笑みで

見つめていた。

しかし、サクはその笑みを吹き飛ばすほどの鋭い目つきでノクターンを睨んでいた。

「フフフ・・・そんな怖い目をしなくてもいいじゃないの」

何かたくらんでいるような笑みでサクに言った。しかしサクは依然として鋭い目つきでノクターンを睨んでいる。

「お前・・・一体何しに来たんだ・・・」

サクが聞くと、ノクターンはまた不気味な笑みを浮かべた

「フフ・・  あの子を始末しに来たのよ。」

そういってノクターンはニナを指差した

その一言で家全体が凍りついた。ニナはその言葉をきき愕然とし目を大きく見開いている。

ノクターンの目が少し鋭くなった

「だってあの子ウィッチだもの・・。」

その言葉に一番に反応したのは、リックだった

「なに!?ウィッチだと!??」

リックは、ニナを見て驚愕していた、あいた口がふさがらない・・・というものだろうか

「リック・・・ な・・なんなんだそんな驚いて・・」

「話は・・・後だ・・ともかく今はここから立ち去るんだ!」

何か焦っていたリックは鋭い目でサクをみて窓の方を指さした

「早く!ニナを連れてそこから逃げろ!」

「ぉ・・あぁ・・」

サクは良くわからぬままニナの手を引っ張り窓を開けた。

ソレを見たノクターンは、鋭い目になり手をサクとニナに向けた

「逃がしはしないわ! 攻撃魔法!」

ノクターンが叫ぶと同時に手から光が放たれた、しかしリックがソレを見るとすかさず

両手をかざして叫んだ

「防御魔法!!!!」

巨大な光の円がリックの前に立ちはだかり、ノクターンの光を上手くさえぎった

光は一瞬にしてなくなり、灰色の煙が立ちこんでいただけだった

予想もしなかったことに少し驚いたノクターンは軽く舌打ちをし

そうしてまた、同じように手を前にむけ叫んだ

「攻撃魔法!!」

ノクターンの前に立ちはだかっていた防御の円が粉々に砕け散って

石となり辺りに散らばった。

しかし・・辺りはただただ煙が立ちこんでいるだけで、サクの姿もニナの姿も

防御の円を出したリックの姿さえもなくなっていた。

「・・・・ふ・・」

ノクターンは不気味な笑みを浮かべ 足元にあった石を拾い

開いた窓の方を見た。

「まぁ・・いいわ・・居場所なんかすぐに見つけてやるんだから・・」

そういうと持っていた石を粉々に砕いた。石のかけらはまたあたりに散らばった。

 

サクたちは息を切らせながら森を走っていた。

「もう・・ここらへんでいいだろ・・」

ニナの手を引きながら走ってきたサクが森の奥のほうに来ると、足を止めた

急に走り出したので息も切れていて、サクとニナは、その場に腰を下ろした。

すると後ろから、急いでリックが追いついてきた、リックも険しい顔をしている

「な・・なんとか防御魔法で切り抜けたけぞ・・だけどまだ追ってくる可能性は大有りだ・。」

そうリックは言うと、険しい顔のまま、羽根を休め、地面に足を着いた。

「くそ・・なんなんだよアイツ・・」

未だ息を切らせながらサクは喋っている。

それから間もなくリックがニナに尋ねた。

「なぁ・・ニナ・・   何があったのか教えてくれないか?」

依然リックは険しい顔のままだった。

ニナは、リックとサクを見て息を切らせながらも、口を開いた。

辺りは、静かで、木々の呻きが聞こえるだけだった

「・・・・私は、3つほど離れた村に住んでいました・・。そしてただ何気なく木苺を探しに森へ行ったんです

そうしたら・・・」

ここでニナが喋るのを一旦やめた、体が少し震えている・・・恐怖を思い出したのだろう

「そうしたら・・・?」

ソレを悟ったかのようにサクが震えているニナを落ち着かせるように話しかけた

ニナは、少し震えながらも、再び口を開いた・・

「怪物が・・・ 「ウィッチ」・・「ウィッチ」とか呻いて私に襲いかかってきそうになって・・

それで・・ずっと逃げ回ってたんです・・・ だけど私には何のことだかさっぱりわからなくて・・」

ニナが話し終えた。 リックは腕を組み何かを考えていた。

「なぁ・・リック・・・「ウィッチ」って・・なんだ?」

サクが聞くとリックは腕を組んだまま答えた

「あぁ・・ウィザードのそもそもの意味は「魔術師・魔法使い」コレは男性的な名前だ

そしてウィッチはその女性的な名前・・・すなわち「魔女」ということになるんだ

つまり・・・  ニナは・・・「ウィッチ」ということになるんだ」

「えっ・・?」

ニナが顔を上げた。驚愕した顔をしている。

少しの間をおき、リックがまた口を開いた

「しかも・・・ウィッチは、そこそこ居るもんじゃないし・・ウィッチの血は強力な魔力のエネルギー源となるんだ

だから狙われるんだ・・」

ニナは、事の重大さに気づきまたもや驚愕の顔をし、目を見開きうつむいた

辺りは先ほどと変わらず、木々の呻きしか聞こえなかった

「だけど・・・ニナ・・はまだ魔法を使ってないじゃん・・?」

疑問を抱いていたサクがリックに問いかけた。再びリックが答えた

「おそらく・・・まだ目覚めていないんだな・・ウィッチとして・・・ 目覚めてなくてもウィッチの血としては変わらないからな・・

その血を狙っているんだろう・・」

 

「血・・・?・・ じゃぁニナ危ないじゃん!!」

サクが叫び思わず立ち上がった・・

「・・今更気づくなよ・・  だから今どうするか・・・と」

リックが冷静に答えた。そしてサクは再び腰を下ろした。

 

 

ドォォォォン!!!

 

「!??!!」

 

その時だった、地面が急にゆれ始めた。物凄い地響きと共に木の葉が一気に舞い落ちてきた

あたりはは2分ほど物凄い轟音とともにゆれ、

そのすぐあとなにもなかったかのようにぴたりと轟音と揺れが止まった

 

「びっくりし・・・・・!!!」

目を開けて、何か言いかけたサクは、目の前にあるものに驚愕し目を見開いた

 

 

「グー・・・・グー・・」

 

その呻き声は 轟音のように太く、重い声だった・・。

瞳は赤く、毛は金色、額に赤色の石を埋め込まれた 羽が生えた、虎のような怪物・・いや

妖魔の姿だった

 サクが驚愕しながら妖魔を見ると・・・妖魔の上には

さっきロジックの家に現れた ノクターンの姿があった

 

「お前!!」

ノクターンの姿をみて サクが叫ぶとノクターンはさっきと同じように

不気味な笑みを浮かべた

 

「見つけた・・・・。」

 

妖魔の呻き声が辺りに響いた・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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