ウィザード×ウィッチ 九話

 

木の葉が先ほどの地響きにより散りに散り続けていた

サクとノクターンは互いににらみ合っている。

ノクターンを乗せている妖魔は今にもサクに襲い掛かりそうなうめき声を上げていた

「ウィッチを…始末して血を頂くわ。」

ノクターンが鋭い表情でサクたちに言った、ニナはソレを聞きうつむいている

「……始末なんかさせねぇよ…」

杖を構えているサクがノクターンに鋭い目で答えた。

ノクターンがソレを聞くと目つきがさっきよりも悪くなった

「……面白いじゃない…。じゃあ力づくで奪ってやるわ」

ノクターンの目が見開いた。暗黒の顔をしている。

その顔に少し驚いたが、サクは杖を構えてノクターンを睨みつける。

「…サク…気をつけろよ…」

緊迫した雰囲気の中リックがサクに耳打ちをした、サクは軽くうなずいた

「行くわよ!!!!」

次の瞬間妖魔が物凄いうめき声を上げ、サクの方に向かってきた。

「リック!!ニナと隠れてろ!!」

杖を構えながらサクがリックに叫んだ。

「逃がさないわ!!」

それを見逃さなかったノクターンは、ニナとリックの方に両手を向けた

「攻撃魔法!」

ノクターンから物凄い勢いの光が生み出され、ニナとリックの行く方向に鉄砲玉のように

早く向かっていった

「攻撃魔法!」

しかし横からその光はさえぎられた。サクが杖を持って立っていた。サクがその光をさえぎったのだ

ノクターンはソレを見て鋭い目つきでサクを睨んでいる。妖魔も赤い目でサクを睨んでいる

「…どうやらあなたを先に始末したほうが良いみたいね」

妖魔とノクターンはサクと向かい合いになった。サクはさっきと変わらず鋭い表情だった

「行け!」

ノクターンが叫ぶと妖魔がサクのほうに向かって飛び出した。

サクは向かってくる妖魔を避けきりその場に転がり込んだ。妖魔が飛び込んだ先はぽっかりと穴があき、

砂煙がたちこんでいた。

「攻撃魔法!」

続いてサクの攻撃が始まった、しかし妖魔はすぐに体勢を立て直し、向かってくる大きな光をさえぎった。

攻撃し、避ける…その繰り返しだった。

回りは砂煙が立ちこんだり、木々はボロボロになったりと…まさに戦闘といった感じだ。

さっきまで聞こえていた小鳥の鳴き声がもう聞こえなくなって木々の呻きさえも轟音によってかき消されていた。

サクが少し息をきらせていたとき、ノクターンが不気味な笑みを浮かべていた。

「攻撃魔法!」

サクはそれを気にせずまた攻撃した。光がノクターンの方に向かっていった

「…レイズン!!炎の風!」

ノクターンが叫ぶとノクターンを乗せている魔物が炎を発した。

光はその炎によってかき消されてしまった。

「…な!?」

熱風がまだ立ちこんでいるなかサクは炎を発したことに驚き、唖然として目を見開いていた。

「あらあら驚いているみたいね…」

サクの表情を見て、ノクターンが不気味な笑みを浮かべ、サクにいった

「この妖魔…レイズンはね…、炎を司る妖魔なの、炎専属って言うことね。つまり

まぁこの森燃やす…なんていったら容易なことなのよ。」

不気味な笑みが一層暗くなった

「な…!…お前!」

「フフ… レイズン!炎の風!」

ノクターンがもう一度叫ぶとレイズンと呼ばれた妖魔から炎が発せられた。

それを見たサクは、焦りながらも攻撃魔法を使い、炎を食い止めた。

(…どうする…つまりあの妖魔を倒してからじゃないと…そうしないと森が燃える…)

「炎の風!」

考えているサクをお構いナシに、ノクターンはレイズンに攻撃を命令した。

先程と同じく熱風と赤色の炎がサクの方向に向かって発せられた。

「攻撃魔法!」

森が火事になってはならないとサクは必死で、レイズンの炎をさえぎり続けた、

(…どうする…とにかく今はあの妖魔を倒さないと…)

焦りながらも尚、サクは炎をさえぎっていた、するとそこへ、リックが飛んできた。

「サク!あの妖魔の炎が発せられているところを良く見ろ!」

サクはその通り、炎をさえぎりながらも炎が発せられているところをみた

「………!あの額の石から出てる!?」

レイズンの炎はライズンの額に埋め込まれている、赤い石から発せられていたのだ。

「そうだ!つまり、あの額の石を壊せばいいんだ!」

リックが険しい表情でサクに言った

「わかったリック。ありがとう!」 

(…… いちかばちか…)

サクは少しその場で考え込んでから 顔を上げ、ノクターンとレイズンを鋭い表情で見て

そうして、杖を両手で構え、ノクターンの方へ走っていった

「…何を考えているの! レイズン!炎の風!」

ノクターンはライズンにまた命令すると、炎の風がサクのほうに向かってきた、

しかし、サクはそれを避けようともせず、走り続けていた、

そして次の瞬間、炎はサクを包み込んだ。

「サク・・・・──!」

思わずリックが叫んだ、しかしサクは炎に包み込まれたあとだった。

「ハハハ! バカね!!自分から炎の中に飛び込んでいくなんて!」

ノクターンが高笑いをしている。その時、炎の中から黒い影が見えた、

その時、杖を両手に構えたサクが炎の中から勢いよく飛び出し、妖魔の上に現れた。

「喰らえ!!この怪物!」

サクは両手に持った杖を思い切り振り落とし、レイズンの額の石を思い切り殴った。

すると、石は砕け散り、赤色の欠片が辺りに散らばった。

石が砕け散ったのとほぼ同時に、妖魔ライズンが物凄い呻き声を上げた。

レイズンがだんだん薄くなっていくのが分かる。

「!!!レイズン!! 」

ノクターンが消えかけているレイズンに叫んだ、しかし、レイズンはうめき声を上げ、消えうせていった

辺りは、赤色の欠片がキラキラ光っていた、

サクが息を切らして、その場にたっている。

「…そうか…サク、お前攻撃魔法を使いながら炎に向かっていったんだな、」

「そう…。 いちかばちかだったんだけどな…」

リックがサクにいうとサクは息を切らせつつも答えた。ニナは未だ心配そうな顔で見ている。

 

「…よくも…」

ノクターンが下を向いて言った、

「…よくもレイズンを!!!!」

物凄い声でノクターンが叫ぶと、横にあった木を殴り、なんと木が折れその場に倒れた。

下を向いてたノクターンがサクの方を今までにない、暗黒の顔でにらみつけた。

「レイズンの…敵…」

サクは、ノクターンの表情に少し怯えながらも、杖を握りしめ、にらみ返している。

レイズンの額の石の欠片は、ノクターンの周りで深紅に光っている、

 

風が不気味な冷たさになったような気がした。

 

 

 

 

 

 

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